夏目漱石の「草枕」からの引用です。

「葛湯を練るとき、最初のうちはさらさらして、箸に手応えがないものだ。

  そこを辛抱すると、漸く粘りが出て、掻き混ぜる手が少し重くなる。

  それでも構わず、箸を休まず廻すと、今度は、廻し切れなくなる。

   仕舞いには鍋の中の葛が、求めぬのに先方から争って箸に不着してくる。

   詩を作るのは、まさに是だ」

夏目漱石も絶えず苦悩しながら、正しく葛湯状態で歴史に残る作品をお創りになったんでしょうね。

いい加減で妥協の名人の私は、この文章に触れた時、過去を振りかえったら仕事も音楽も生き方もさらさら状態だったなと。

これから引っかき廻しますよ。